幼稚園の保育料が引き落とされなかった。今月は17日です、と連絡があったのに。お金のことは後回しにするとよくない。そう思って連絡を入れる。
園の先生に言われた。あぁもうわざわざすみません。口座の登録は済ませてありますか?それなら月末に再引き落としされるので大丈夫ですよ。真面目な方なんですね。ありがとうございます。
「真面目」その単語に引っかかる。真面目ってどんなイメージだろう。言い換えると、ちゃんとしている、几帳面、堅物、律儀……こんなところか。
私はたまに真面目だねと言われることがある。その度にちょっと複雑な気持ちになる。真面目をいい意味で受け取れない。相手に悪気はないのに。なぜ私は「真面目」を受け入れられないのか。ちょっと考えてみた。
私にとって最高の褒め言葉は「おもしろいね」だ。そう、私はおもしろくありたい。私にとっておもしろいってとても魅力的なセリフ。
「この小説めっちゃおもしろい」
「あの映画どう?おもしろかった?」
「その発想おもしろいね」
笑った、ウケる、だけではない。感動した、興奮した、新しい視点だね。そんないろいろを「おもしろい」は持っている。私はそういう人になりたい。
一方で真面目ってユーモアさが全くない気がする。「おもしろい」が持っている余白のような余裕がない。製氷機で作ったカチカチの四角い氷みたい。同じ形の冷たいのがいくつも並んでいる感じ。
「真面目ですね」と言われると「おもしろくないですね」って勝手に変換してるんだと思う。被害妄想がはなはだしいね。たぶんこれからも「真面目だね」って言われるときがくると思うんだ。もう30年以上生きてて何回も聞いてきたから。でも相手は「おもしろくない人だね」なんて意味で真面目を使ってはいない。こちらの受け取り方を変える必要がある。
私の感覚ではただ「気づいただけ」なんだよね。引き落とされるって聞いてたけどされてない。園からの連絡もないし大丈夫かな?一応報告しとくか。みたいな感じだった。友だちの洋服に小さな埃が付いていて「なんか肩についてるよ?」って教えてあげる感覚に近い。そう言われて真面目だねって思う人はいないと思う。
そうだそうだ。真面目って気づいちゃう人ってことにしとこ。それなら嫌な気持にならないで済む。
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