1日に26人と会話してお酒を飲んだ後みたいなテンションになってる

エッセイ

疲れてるけど楽しかった余韻が残っていて若干ハイ。

1人目はランチで

妹を通じて友だちになった子とランチに行った。大人になって新しい友だちをつくるって難しい。だが我々には子どもの誕生日が一緒という度数強めの共通点がある。妹の紹介も相まってすぐに会話が広がる。ありがとう妹。こちらの都合で同じ市内への引越しが決まったことを報告した。さらに以前おすすめしてもらった幼稚園に子を入れる予定なんだよねと様子を伺いながら話す。わあ嬉しい!ぜひぜひ!と喜んでもらえて安心する。マネしたって思われないかな…という捻くれたネガティブが吹き飛ぶ。土地勘のない場所での新しい生活。入園前からママ友がいるこの上ないありがたみ。嬉しいのはこっちの方です。あっという間に3時間が経っていた。

2人目はLINEで

子育てと社会復帰の難しさ話で盛り上がっていたら、従姉妹がご懐妊との知らせ。あらあらなんとめでたいことか。一度だけだが自らも経験した道。心の中では「母子ともに健康であれ!!!」と強く祈る気持ちでいっぱいだった。しかし頻繁に連絡を取る間柄でもないので控えめにと思い、「もうすぐ安定期ということはこれからお腹が大きくなっていく時期だね、大変だけどがんばってね。何かあったら相談してね」などと当たり障りないメッセージを送るに留める。特別な瞬間ほど下手にはしゃぐと危ない。

昔の職場で18人と

ランチのお店が元勤務先から近かったので顔を出した。後輩や同期、お世話になった先輩と立ち話をする。9割は「久しぶり!子どもちゃんかわいいね、大きくなったね」でまとまるような内容だった。部屋の隅に立っているだけで人が寄ってくる。ほどよい距離感で話しかけてくれる。人気者になれた気分である。嬉しい。ほぼほぼ子どもの力だぞ、自惚れんなよ。自分に釘を刺す。でもたまには悪くない。我が子がチヤホヤされてほくほくな気分で会社を後にする。ものの30分くらいのできごとだった。怒涛の会話ラッシュ。目をコシコシ擦り、明らかに眠そうな我が子にお礼を言いながらチャイルドシートに乗せる。ありがとう、おうちに帰ろうね。

行きつけの珈琲屋で5人と

帰宅して洗濯物を取り込む。車内できっちり睡眠をとった我が子はもう寝てはくれないようだ。畳んだタオルを崩される。つけたテレビは主電源から消される。包丁が入った戸棚を開けようとする。全部ダメ!家の中はやってはいけないことが多すぎる。育児に疲れた夕方は散歩をするに限る。子を抱っこ紐で固定し、スマホと500円玉を1枚だけ持って家を出る。歩いて3分の場所に週4で通う珈琲屋があるのだ。コーヒーを飲む間、子を孫のように可愛がってくれる。もはや育児の休憩時間として通っている。今日は常連揃いのタイミングだった。珈琲屋を通じてやんわり顔見知りの人たちと働き方について話す。個人事業主で働くって大変だけど面白いよ、だってさ。楽しそうにしている大人はかっこいい。

最後はひとりで反省会

話が盛り上がった帰り道、ひとりになると会話を反芻しだす。トランプを表向きにして順番を確認する感覚に近い。話したことが書かれているカードの束を左手に持つ。絵柄を見ながら右手で捨て場に送る。10枚中8枚は当たり障りのない会話や嬉しかったことが書かれていて、さらっと振り返って終わる。残りの2枚は反省対象。どうしてあんなこと言っちゃったんだろう。もっと上手い返しがあったはずだ。たぶん相手は覚えてないであろう細かなアラをほじくり返す。

最近は家にいることが多くて会話が少ない。久しぶりに他人と話すと疲れてしまった。声を出すと喉が渇く。笑いすぎて頬が引き攣っている。だけど、楽しかったことで上書きされてなんだかハイなテンションだ。まるでジンジャーハイボールをグビグビ飲んだような。渋さと甘さを炭酸水で流し込む。アルコールでふわふわになる。今の気分はそんな感じ。

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