創刊から35年以上のベストセラー
1983年に創刊され、265万部を突破する大ベストセラー。東大生・京大生にも根強く支持される1冊。
参考:筑摩書房 東大・京大生が根強く支持する異例のロングセラー 思考の整理学 外山滋比古 (chikumashobo.co.jp)
いつ、どの本屋さんに行ってもどこかの棚に平積みして置いてある。「あ、思考の整理学だ。そろそろ読み返そうかな」と、見つけるたびに帯に書いてある発行部数が伸びているので本当にすごい。
本の内容
コンピュータの出現で、誰かに決められたことをこなすだけの人は仕事を奪われてしまう。これからは、自分でものを考え行動ができる人にならなければいけない。では、どのようにして自分の考えを生み出し、まとめていけばよいのか。それを書いたのが『思考の整理額』だ。
情報の効率的な集め方、まとめ方をはじめ、その素材をどのように思考に飛躍させるかを広い視点で提示している。
感想
忘れかけたころにいいアイディアが浮かぶ瞬間ってある。
仕事でイベントの企画を考えているとき、じっと座ってパソコンを睨む。何も浮かばない。とりあえずコーヒーを飲む。参考になるものはないかとGoogleで検索してみるも参考になるものはヒットせず。コーヒーを飲み切ってしまったので、缶を捨てるついでにトイレに行く。移動しながらも何かいいアイディアはないかとぼんやり考える。ゴミ箱の丸い穴に缶を落とす。すると、ふっとひらめいたりする。
そういえば、小学生の夏休みの読書感想文を書くときにも似たようなことがあった。まっしろな原稿用紙の前にじっと座っているときは何も思いつかない。どうにもダメなので、その日は寝てしまった。翌朝、目が覚めて布団の上でゴロゴロしていると「もしかして、こう書けばいいんじゃない?」と、文章が浮かんできたりする。
こんな瞬間がたまにあるなぁーと思っていたら、『思考の整理学』にアイディアが浮かびやすい3つの場面がまとめてあった。それが『馬上・枕上・厠上』らしい。中国の欧陽脩という人が残した言葉だそうだ。
現代風に置き換えると、馬上→移動中、枕上→布団の中、厠上→トイレ中というわけだ。「なんだ、こういうタイミングでのひらめきって私だけじゃなかったのか」、と安心すると同時に自分は別に特別な人間でも何でもないんだなと少しがっかりする。
今も昔も変わらないものがあって面白い。
まとめ
思考の整理学には、「ああ、私も経験したことある!」って話もあれば、分かってるけどやってなかったみたいなことも書いてあるし、もちろん未知の知識もたくさんある。
無意識だったものを意識的にしてくれるような1冊で、読むとぼやけていた輪郭がはっきりしてくる感覚がある。教えてもらったことをどう生かすかはその後の自分次第だが、方向性を示してもらえるのはすごくありがたい。定期的に読み返したくなる。
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